目次
着物は仕立てで楽になる
和裁の話題ではありますが、着物の仕立てを注文する際にも役立つ情報です。
フォーマルなシチュエーションには向きませんが、自宅で着物を着ることが快適になります(^^
この中の全部をやる必要はなく、やれそうなことを部分的に取り入れるだけでも、その分楽になりますよ。
- 掛け衿をつけない
- 筒袖にする
- アゲを作らない
- 裄と身丈を短めにする
- 薄手の綿素材にする
- 衽と前身頃を一体にする
こんな感じです。つまり布をなるべく小さくして、重なりを作らないということです。
それにより、空気がまとわりつかず、涼しいのです。
また、家では洗面台で顔を洗ったりもしますし、料理や皿洗いもしますよね。その際に袖が汚れないようにいちいち たすき掛け をするのも面倒です。
なので最初から袖は小さめにするということなのです。
全体の写真
すると仕立てはこのようになります。
木綿素材で薄手なのでところどころにシワがあります。
そして全体的に短めです。が、これにより動きやすく、涼しくなります。
では一つずつ解説しますよ。
掛け衿をつけない
着物の衿は普通、地衿・掛衿(じえり・かけえり)という2枚の衿がかかっていて、外側のが掛衿です。これは布を補強したり、取り外して洗ったりできるのですが、その分だけ地厚になり暑いです。
また、布が増えればその分重くなりますから、家で長時間着るには、軽くて楽な方がいいと思います^^
筒袖にする
普通の着物は袖が垂れ下がっていますが、筒袖(つつそで)だと一直線で洋服のようになります。
これにより、洋服と同じく炊事洗濯でも袖が濡れにくくなります。
また、使う布地が減るので軽くなり、着心地が良くなります。
アゲを作らない
アゲというのは、身長が伸びた場合に備えておなかの辺りに余りの布地をまとめて隠しておく部分のことです。
身長が伸びたらそこをほどいて、着物の身丈を長くします。
アゲがなければその分おなかが涼しくなりますし、軽くなります。
裄と身丈を短めにする
普通着物は足のくるぶし辺りまで長さがありますが、身丈を短くしてある意味「つんつるてん」にします。
僕は外出用の着物だとくるぶしより長くして、シックな印象にします。でも家着としては かさばって家の中でバサバサして動きづらいのですよ(T-T
なので家用の着物は短めにします。特に5月~10月の暖かい期間はスースーと風通し良くて快適なのです。
裄(ゆき)も同じく、通常 着物は腕のくるぶしまで袖がありますが、この通り全然足りません。
でもそのおかげで動きやすく、軽く、涼しいのです。
具体的には身丈も裄も、ここでは4cmずつ短くしています。
薄手の綿素材にする
綿(着物の世界だと木綿と呼びます)の布地を使いましょう。そして、透けるくらい薄手のを使いましょう。
色が暗めなら下着まで透けないでしょうし^^
男の場合はステテコを下にはけば、それで十分です。
ちなみにこの写真の素材は、白とグレーの糸を織り交ぜているので完全な無地ではなく表情があります。たぶんシャンブレーという素材です。
日暮里でメーター百円くらいで買ってきたのですが、値引き品のため素材の名前は不明だったと思うんですよ。
衽と前身頃を一体にする
この写真には衽線(おくみせん)がありませんね。
衽(おくみ)とは↓この辺りの部分のことです^^
通常はここに別の布を当てて、それにより余った布地が裏側に隠れてまとめられていたりします。
- 前身頃・後身頃を別布にして肩山でつなぎ合わせる
- さらに洋裁地などの幅広の布地を使う
ことにより、衽線がなくなります。衽と前身頃が一枚の布になるからです。
または、単に衽線の辺りに余り布をまとめないという方法でも、軽く涼しくなります。
6つの仕立ての方法で、おうち着物を快適に
以上の方法で自分で仕立てるか、仕立て屋さんに依頼することで、おうちの着物が快適になります^^
またはお直しするという方法もありますから、お出かけの予定もないけどおうちで着て過ごしたいなぁ。。という人は、ぜひ試してみてくださいね~☆