第二回 自分で染めをやってみた。スタンプで小紋、角帯に仕立て、着てみたところ。。。

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↑完成品です。

気軽に染めたい

前回自分でも染めができることが分かったので、今後はもっと気楽に染めをできるよう慣れつつ、作業手順を簡略化していきたいなぁと思っています。
「晩飯食って染めて、歯磨いて風呂入って寝る」くらいに、一晩でちょちょっとできるようになるといいんですけどね~^^
染めるだけなら一晩で一応できたんですが、染めている間中ずっとかきまぜていないといけないので、なかなか面倒ではあります。
スタンプをわざわざ掘って小紋にしましたし^^;
染めが終わると角帯に仕立てるべく、裁縫もしなきゃなのでー。

それでは各工程を書いてみますね。

スタンプ小紋

前回は印刷した紙を切り取って、あいた穴から染め防止剤を塗っていく方式で小紋していました。
今回は逆に、スタンプに塗ってペタペタする方式で小紋します ^-^
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こんな感じです 😀

小紋スタンプの作り方

まずは柄をネットで落としてきます。うちの家紋は丸に沢潟(おもだか)なので「丸に沢潟」のグーグル画像検索で出てきます。
これをトレーシングペーパーに印刷します。
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薄い紙なのでシワシワ。。

丸く切り取ります。
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黒い部分だけを2Bなどの濃い鉛筆で塗りつぶします。
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その鉛筆の塗った側を裏返し、百均のスタンプ用ゴムに写し取るべく、上からこすります。IMG_4343

こんな風に写し取れます 🙂
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塗られた部分以外を、全て彫刻刀で削り取ってしまいます。
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(奥さんが彫ってくれてます。そういう作業好きなのだそうですw)

材料・道具はスタンプ用のゴム、彫刻刀、トレーシングペーパー、鉛筆。全て百均で売ってますよ^^

染め防止剤を塗る

元の生地はキャンバス用の帆布(はんぷ)という、ちょっと厚めのものです。アイロンをかけたところ。
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今回はこれを、角帯にするために先に裁断してしまいます。
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生地が小さい方が、染め防止剤をスタンプで塗るときも、染めるときも干すときも、扱いやすいんですよー^^
特に染め防止剤は大きいと、床に広げてヨガのような大勢で作業しなきゃいけないので、とても体力を使うのですよ。小さければデスク上でやれますので。

染め防止剤はこちら。


これを筆で、スタンプにヌリヌリします。
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そして布にポンと乗せて上から手でグリグリすると。。
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分かります?w 白い布地に白い防止剤なのでちょっと分かりにくいかもですが。。
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ほら、横から見ると分かりやすいです 😀
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そんな調子で全ての布にポンポン塗って、1時間以上乾かします。
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染める


「堅牢スレン染料」という染め剤がネットで売っているのでポチりました。
今回は藍色を注文したのですが、これは藍染めではないそうです。Wikiによると「タデ藍を発行させて作る」のが藍染めらしいのでー。
この染め剤はろうけつ染めというそうです。

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箱を開けると2つの瓶に液体と粉が入っていましてね、両方を牛乳パックに入れて、沸騰したお湯を入れます。
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500ccの容器が必要なので、使い捨てで500cc以上といえば牛乳パックですよね^^
料理用の鍋とか使いたくないですw

上から覗きこむと、黒っぽくなったお湯から異臭がただよい、フツフツとしています。。
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説明書によると「よく混ぜて」とのことなので、フタを閉じてよく振りました。すると「ブシュゥゥゥゥ」と音を立てて空気が漏れてきます。牛乳パックがパンパンになって、今にも爆発しそう。ゾッ とします。
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これで染め液ができました。

これを、ぬるま湯に入れます。
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よどんだ色に泡ぶくが。。ゾッ

ここに、あらかじめ濡らした布地を入れます。
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ちょっとでも浸けると布が黄色になります。IMG_5262

しばらく浸けて引き上げると、もっと黄色に。
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絶えずニオイがあるので、換気扇をしっかり付けておきます。
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説明書によると「染めている間は空気に触れさせないで」とのこと。ちょっと目を離して触れさせると、触れた部分が紺色になっています。
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40分ほど静かに混ぜ続けた後、水分を全て出してしまいます。
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何度か水洗いしますが、その間にみるみる紺色に変わっていきます。
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引き上げたところ。
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しぼった頃には全部紺色に変わりました!
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すげーーー化学!

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30分ほど干します。この間に化学変化が起きるんだそうです。

干した後。柄がくっきり出ていますが、これは染め防止剤がまだ残っているからなんです。
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熱湯で染め防止剤を溶かします。
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洗濯機で1分ほど脱水します。
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。。。しかし書いてて思いますが、すごい工程の数ですよね!このブログを読んでも「じゃぁ私もやってみよう」とは決してなりませんね(T-T
一個一個は簡単だけど、とにかく作業量が多いです。4日くらいに分けないとです。。

脱水の後は乾かします。1日待ちます。
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縫製

いやー、書いてる僕がスタミナ切れそうなのでw 読んでる方々はここまで読み切れないですよね^^;
がんばれー(読者向け)

これ、参考にする人いるのかなぁと、書いてて疑問になってきました。。

さて、後日乾かしたものがこちら。IMG_5415
なにぶんバケツの中だけで染めているので、布地を折りたたんだところでムラができてしまっています。
それが味とも言えますが、もし人さまの分を作るとしたらムラは予想が付かず約束できないので、この染め方はオススメできないですなぁ。

4枚の生地をつなぎ合わせます。
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裏返して縦半分に折り、紐を通します。
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紐を引っ張り、表裏逆にします。
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端を手縫い(くけ)します。
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完成

アイロンをかけて、ようやく完成です(^-^ ふーやれやれです。長い道のりでしたよねぇ~。ここまで読んでくれた方、お疲れ様でした。部分的にでも参考になるといいなぁと願っております。
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スタンプの形にばらつきがありますが、まぁそこも味があって、のんびりしてていいなぁ~と。
「藍色」を買ったんですが、けっこう薄めになりましたよね。
裏側は無地なので、家紋を見せたくないときは裏側を使おうと思います。
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とはいえ、なかなかカッコよく&かわいく仕上がりました!

着てみる(洋服)

いざ着てみると、なんか思い描いたイメージとちょっと違うような。。?と思いました。
その時は洋服だったので、ちょっと巻いてみたところ。。
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マズい。。(汗)これはマズいと思いましたw
全然かっこよくない(T-T ここまでの努力がパァになってしまう。
大きすぎるマークの繰り返しが、幼稚になっている感が。。

いや、着物ならいけるかもしれない。そうだ、後日着物着よう。

着てみた(和服)

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うんうん、紺の無地の着物になら、けっこう似合うかも?

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なるほど、意外と薄紫っぽい染まり具合なんですね。

これならまぁ使い物になるなーって感じです。
後日お出かけに使ってみて、リアルな感触をつかんでみますね。
自宅と外って けっこう印象違ったりするので、意外と実用的かもですし。

プロセスの見直し

ということで、ここまでのプロセスですが、ざっくり言うと

  1. ハンコ作る
  2. 染め防止剤塗る
  3. 染める
  4. 縫製

でした。「2」はシンプルですし「4」は いつも通りなので良しとします。
「1」がなー、ハンコをもっとサクッと作れないものか。僕の場合は奥さんが彫ってくれますが、このブログの読者に「自分もやろう」と思ってほしいので。
「4」は、台所にずっと立ったまま混ぜ続けなきゃいけないのが時間のロスでした。他は慣れればスムーズになるはずですので。次回は混ぜずに放置してみようと思います。


小紋をどう簡単にやるかがネックです、ちょっと考えます 😉

クオリティの問題

僕は染めのプロになるつもりはないので、良いと言えば良いのですが、できればクオリティは高い方がいいですよね(^-^
クオリティは

  • 染めムラがある
  • 染め防止剤のムラで、柄が安定しない
  • 色がちょっと薄い

という問題があります。縫製は大丈夫です。
たぶん、「染めムラ」で検索すると解決策が出てくるので大丈夫です、次回なんとかしますw
こういうのは、クオリティ低くてもまず全体通してやってみて、問題点を洗い出し、一つずつクオリティの低い部分をつぶしていくのが、クオリティ高い品を作る最短経路だと思うのです。

最近、和のモノを作るのがすごく楽しくなってきました。着物販売はそのまま現状維持しつつ、茶道具などいろんなものを作ってみます、お楽しみに☆


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