※ 女性も対応可能の記事です。
目次
筒袖ネル襦袢
ポリエステルの長襦袢と着物だと、冬の外出はとっても寒いです。
今も忘れられません。1万円ぽっきりの着物セットを買ったであろう白髪の紳士が、奥様に合わせてがんばって着物を着てきたのに、寒い寒いとうつむいている姿が。
真冬なのに、彼は見るからにポリエステルの着物と羽織でした。
雪駄もプラスチックの初心者用でしたから、おそらく内側にユニクロのヒートテックなどを着こむコツも知らず、襦袢も当然ポリエステルだったのでしょう。
決して僕はバカにしたいのではありません。上の世代ですら、着物について誰もノウハウを持っていないのです。
今日紹介したいのは、袖口から風が吹き込まない、暖かネル素材の襦袢の作り方です。
季節やあなたの状況に合わせて、素材を変えたり袖を大きくしたりとカスタマイズしてお使いください。
一人でも多く、快適な着物生活を送るよう、ブログからエールをお送りします(^ー^
完成写真
それではまずは、ゴールから見てみましょう。
このような襦袢を目指します。
生地は内側が起毛なので、ふかふか♪ 外側は起毛ではないので、着物も綿でも まとわりつかず、足さばきもスムーズです。
サイズ
最初にサイズ詳細を書いておきます。分からなくなったらここに戻ってチェックしてくださいね。
※単位:cm
- 性別:男もの
- サイズ:LL
- 目安身長:175~180
他の性別・サイズの方は、自分のほしいサイズに適宜調整してくださいね^^
出来上がりサイズ
- 身丈145
- 裄丈72, 肩巾36, 袖巾36
- 後巾30
- 前巾+衽巾=40 (前身頃と衽は同じ生地で一体です)
- 袖付 25
- 袖丈 25 (筒袖のため袖付と同じ)
- 衿 166 x 6
- 衿肩明 10
- 褄下 72.5
裁ち落としサイズ
-
後身頃 152 x 76
-
前身頃 2枚 152 x 51
-
袖 2枚 54 x 40
-
地衿 186 x 16 (このサイズの布がなければ、95 x 16 を2枚で、縫い代2cmで継いでもOKです)
-
掛衿 なし
アイロン
さて作り方ですが、布地は最初たたみジワがついていますから、アイロンをかけます。
後身頃
後身頃と前身頃は別々で裁ち落とし、肩山で縫い合わせます。
後身頃の裁ち落としサイズ 152 x 76 を測ってチャコペンで線を引きます。
裁ち落とします。
前身頃
152 x 51 を2枚分、チャコペンで線を引きます。
裁ち落とします。
袖
袖も2枚分、54 x 40 を裁ち落とします。
衿
186 x 16 を裁ち落とします。出来上がりの長さは166ですが、念のため長めに取っておきます。
身頃の縫い合わせ
後身頃に前身頃を重ね合わせます。中心で前身頃同士が重なり合います。
肩山をマチ針でとめます。
縫い代2cmで、肩山を縫います。衿肩明(えりかたあき)は10cmなので、左右あわせて20cm分は、真ん中を縫わないでおきます。
衿肩明を縫わずに残したところ。
前身頃の上にチャコペンで線を引きます。
図にすると、このようになります。
反対側の前身頃も、同様に線を引きます。
袖を縫い付ける
先ほど引いた線と同じように、後身頃にも袖付の線を引きます。
その線に沿って、袖付を縫い付けます。袖の縫い代は2cmです。
縫い付けて開いた姿です。
脇
袖の下の脇の線に沿って前身頃と後身頃を縫い合わせます。
裾
裾の縫い代処理は3つ折りにし、ミシンで直線縫いです。まずはアイロンがけだけしておきます。縫い代は5cmとしましたが、改めて定規で身丈を測り直して、縫い代より身丈を優先して裾の位置を決めてください。
褄下
褄下も三つ折りにしてミシンで直線縫いです。三つ折りはアイロンでクセをつけた上で、ミシンで縫います。縫い代は3cmです。
袖口
こちらも縫い代3cmで、アイロンで三つ折りにし、ミシンで直線縫いをします。
ミシンをかけたところです。
袖の下
縫い代2cmで、ミシンで直線縫いで縫い合わせます。
脇の縫い代処理
脇の縫い代を、今回はロックミシンで処理しましたが、ロックミシンがなければ家庭用ミシンのギザギザ縫いでOKです。
袖付けの縫い代処理
袖の下の縫い代処理
前身頃の裁ち落とし
衿の出来上がり線から縫い代2cmほどを取って裁ち落とします。
肩山の縫い代処理
裾の縫い代処理
先ほど三つ折りにした裾を、ミシンで直線縫いします。
表から見たところ。
衿
2cm – 6cm – 6cm – 2cm となるよう折ってアイロンをかけましょう。
衿で身頃をはさんで、衿の端 約3cmをミシンで直線縫いして出来上がりです。
完成です
普通の着物よりも単純ですから、5~6時間ほどあれば完成すると思います^^
質問などありましたらコメント欄へどうぞ。
それではまた!