仕覆の作り方 中級編 v2 型紙、裏地つき、ミシン縫い

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型紙とミシンで、簡単な仕覆づくり

一般的な仕覆づくりは、器の大きさを計測し計算し、型紙を手書きするところから始まります。
それを今回は、4か所計測するだけで型紙をプリントアウトしてくれるソフトウェアを作りました!
スクリーンショット 2021-09-13 103109
これで仕覆づくりがとってもカンタンになりました☆

計測するのは、この4か所。
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この長さを入力すると、このようなPDFが出力されます。
20210913

これを印刷して縫うだけで、ここまで簡単に出来上がります! 😀
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後は紐をつける作業は従来通り残っていますが。。
でも、これまでの作り方よりもずっと速く、ハイクオリティに作れますよ^^

動画で解説


実際に縫っているところを見たい方にオススメです☆

作業工程

それでは作り方を解説します。

計測

まずは、仕覆をつくりたい器のサイズの計測をします。茶入や茶碗など、形によって計測個所が変わってくるので、場合分けしますね。

茶入の場合

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茶入は真ん中あたりが最も太いことが多いです。最も太い部分の直径は、真横か真上から定規をあててミリ単位で測りましょう。
例:↑の茶入だと、このサイズです。

  • 最も太い部分の直径 55cm
  • 底の直径 35mm
  • 器全体の高さ 83mm
  • あきどまりの高さ 40mm

※ 「あきどまり」とは、縦の布の継ぎ目の、上の端です。一般的には真ん中あたりの一番太いところですが、自分の好みで決めてもOKです。

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あきどまり

茶碗の場合

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茶碗は一番上が最も太い形です。この場合はあきどまりが器全体の高さより1cm低いところがオススメです。
例:↑の茶碗だと、このサイズです。

  • 最も太い部分の直径 132cm
  • 底の直径 55mm
  • 器全体の高さ 73mm
  • あきどまりの高さ 63mm

※ 側面が地面に垂直におりている形(円柱のような形)の茶碗の場合は、あきどまりをもっと低い位置にする必要があります。

型紙を作成

shopping_r_34_2xにて購入・ダウンロードできます。

価格 500円 (税込)
印刷・郵送のサービスはこちらから別途購入できます。
購入時に、↑で測った4か所のサイズを入力します。購入後1日でPDFファイルがメールで届きます。
サンプルはこちらです。
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キルト芯の型紙や、つがり糸を縫うための型紙も付いています。 計算した紐の長さも書いてあります。

印刷のコツ

正しいサイズで印刷するため、印刷の際は下記のポイントに気を付けます。
4

  1. 白黒印刷。カラーだとインクがもったいないです
  2. 「実際のサイズ」を選ぶことで、正しいサイズで印刷されます。
  3. 「縦」を選びます
  4. 「A4」を選びます

型紙の使い方

各PDFファイルを全て印刷します。
※「sode.pdf」は袖ですが、左右の袖のために2枚ずつ印刷します。
※実線は出来上がり線、点線は縫い代線、二点鎖線は折り目です。
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セロハンテープで、「A1」と「A1」のように同じ記号同士を貼り合わせます。
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片側は点線に沿って折ります。
マチ針で布に固定します。

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布の表は下向き。裏は型紙に向いています。柄の位置を調整しましょう。

点線に沿って型紙ごと布を裁断します。PXL_20210908_121641550
※ クッション性を持たせたい人は、この段階で出来上がり線に沿って側面2枚、底面1枚の接着キルト芯を切り取ります。

側面の縫い合わせ

ここに、側面2枚と底面1枚を裁断した、表地と裏地があります。

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左が裏地、右が表地。表地がわずかに大きいです。

それぞれの側面を中表にして(表地同士を合わせて)縫い合わせます。↓の赤線を縫います。

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左が表地2枚、右が裏地2枚。

こちらが縫い終わったところ。
PXL_20210910_122613465

アイロンでクセをつける

側面の出来上がり線を型紙ごと折り、アイロンでクセをつけます。
その際、表地と裏地で折り目を付ける順番が違うことに注意しておきます。表地と裏地を重ねる時に、角を互い違いに重ね合わせるためです。
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ダーツの縫い合わせ

ダーツとは、下の方に丸みを付けるために同じ布の中で縫い合わせる部分です。
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そのために、表地・裏地の両方の側面、合計4か所で真ん中に折り、出来上がり線に沿って縫い合わせます。
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底面への縫い合わせ

底面のに側面の直線を縫い付けます。そのための工夫として、型紙にチョンと合印を付けておきました。これは表地・裏地合わせて8か所ありますので、ここの布地にチャコペンで印を付けておきます。
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側面から型紙をはずします。
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※接着キルト芯を使う人は、この段階で側面二枚と底面1枚を裏地に貼っておきます。

側面の縫い代の幅は1cmですが、この半分の5mm程度の長さだけハサミで切り込みを入れます。間隔は5mm程度です。
これにより、丸く縫い付ける際に縫い代が浮き上がりません。
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拡大したところ。
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底面の型紙には、ヤマトノリを薄く塗って布を貼り付けておきます。
厚く塗るとノリが布にしみ出てくるので気を付けましょう。
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側面と底面を縫い合わせます。チャコペンで付けた↓の赤い印と、型紙に付いている↓の緑色の印が合うように縫い進めます。一つ合印を通る度に、次の合印を合わせながら進みます。
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縫い終わったところ。上から見ると。

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縫い代に切り込みを入れていないですが気にしないでください。

下から見ると。

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違う布ですが、気にしないでください。

表地と裏地を縫い合わせる

表地か裏地どちらかの底面にノリを塗り、お互いを貼り合わせます。
その際、向きを合わせるよう注意します。
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表地をひっくり返し、裏地にかぶせます。そして表地・裏地お互いの端同士を合わせてマチ針でとめます。
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裏地の方が少し小さめに重ね合わせます。

この4つの角は、表地と裏地で折り目の向きが違うので、互い違いになって縫い代が隠れるように重ね合わせます。
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端をミシンの直線縫いで縫い合わせます。上糸を表地の、下糸を裏地の色に近い糸を選ぶと良いです。
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縫い目の長さですが、脇の上部1cmについては長めに5mm程度にするとより良いです。
後でつがり糸を縫う際に、針を縫い目の間から差し込むためです。
PXL_20210911_035101633

ひとまず完成

紐以外は完成です。
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つがり糸

ここから先は従来と同じです。
続きは「つがり糸の縫い方」へ。

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