ファストファッションなるものが登場して十数年も経ちましたが、それに対しスローファッションも出てきたようです。
Slow=遅いの対語は、Fast=速い。 つまりスローファッションというのは、ファストファッションの真逆の位置にいるのだ。 ここでファストファッション(fast fashion)を改めておさらいすると、ファストファッションとは最新の流行をとり入れながら低価格に抑えた衣料品を、短いサイクルで世界的に大量生産・販売するファッションブランドやその業態のことをさす。
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余裕のある消費者はどんどん質を求める時代になるのではないかと思う。
引用元: fashionsnap.com
このファストとスローを着物の視点から見ると、どうやらスローファッションに該当する点もありそうです。
今日は着物のスローな点を挙げてみますので、みんなで考えてみましょう~( ´・∀・`)
ハカマをはけば歩幅は伸びますが、なければ裾が詰まって速くは歩けないです。
参照:livedoor.jp
でも畳の半分は2~3歩で歩くのが良しとされたりもしますので、スローな歩き方が正式なようです。
着物なら「しずしず」歩くように美しく見えたり、上半身は揺らさずに少し重心を下げて歩きますから、気分が落ち着つくという面もあります。
着物はお直しができるように設計されています。
袖の付け根(袖付)やおなかの辺り(あげ)、裾、衿には余分な生地が仕込まれていることが多いです。身長が伸びた場合や別の人が着る場合に、お直しに出せば着られるようになっているのです。
親から子へと受け継がれる着物、いいですよね~^^ 成長しても着られるとか。
それでも着古して膝などが擦り切れてきたら、帯などに作り変えたり。さらにダメになってきたら、布団カバー、最終的には雑巾となります。それから捨てます。
昔はそのようにして一つの生地を大事に使っていたのだそうです。
今でも「着物は捨てるべきではない」という習慣は広くあるようで、余った洋服なら捨てるところを古着屋になるべく持っていく人は多いようです。
モノを大切にして長く使うということですね。
自転車には乗りにくいです。ハカマがなければ風が吹くと、裾がはだけステテコが見えてしまい「いやーん」となります。
自動車に乗るときも、ズボンなら意識しませんが段差があります。スネが見えるほどに足を上げないと乗り込めなかったりします。もしくはお尻から乗り込んで両足を上げるなどの工夫が必要です。参照:autoblog.com
速い乗り物に乗りにくい、という意味ではスローですね。
既製品(プレタ)が最近は安く出回っていて良いことですが、今でもオーダーメイド(おあつらえ)が主流だったりします。
受注してから職人に反物を渡して、それから縫い始めるわけですが、納期が遅ければ遅いほど安いです。1~2ヶ月くらいかけるとかなり安く、1万5千円でできることもあるそうです。
特にベトナムなどの海外には船便で往復するので、より時間がかかってスローなわけです。
でも着物って洋服と違い流行はそんなに早くは変わらないですし、春にでも夏物の注文をしておけば問題はないのですけどね 😉
テーブルの奥にある皿を取るときは袖が食べ物に付かないように、もう片方の手で袖を押さえますよね。
参照:moteco-web.jp
不便とも言えますが、それが所作の美しさを生むのですね。
便利を追い求めた時代から、便利さはほどほどにして美しさを求める時代になってもいいなぁと思います^^
手早く着る工夫が本やブログで公開されているものの、洋服の速さにはかないません。女性の着物だと早くても15分くらいはかかるらしいです。
洋服にはジッパーもボタンもありますから、早いですよね~。和服は帯や紐で、とにかく結ぶだけなので、時間がかかるのです。最近はマジックテープなども出てきて楽になってきてはいますが。
スローライフやスローフードに象徴されるように、何でも
- 速ければ
- 数があれば
- 安ければ
良いという時代でもなくなってきましたね。
そんな流れの中で「僕らの昔からあるライフスタイルをじっくり味わうのもいいな」と感じる人が、少しずつ増えてくるんじゃないかと思います 🙂
僕自身はどうかというと、移動のスローはぶっちゃけ困りますw
今までスーパーに自転車で15分で往復できたのが、25分の徒歩となるのはじれったいですし、手で持つ荷物が重いですし。
移動がスローなのは困るので自転車で乗れるように工夫を進めています。
でも食事をスローにするのはむしろ人生を楽しんでいる感じがして好きですし、仕立てるまでスローなのも既にある程度服は持っているので問題とは感じていません。
着るのに時間がかかるのは女性ですので、男着物はそんなに時間がかからないですから~^^