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ミシン陣営より弁明
世の中にミシン陣営と手縫い陣営がいるとしますね。
- 着物をミシンだけで縫う人たち
- 着物を手縫いで、伝統的な和裁で縫う人たち
この2種類の人たちがいるとしますね。
でですね、着物ワールド内でのミシンの評価が低すぎるようなので、ミシン側の人間として説明させてください。
手縫い陣営の考え
「着物は代々子や孫に受け継いでいくもの。サイズが多少違ってもお直ししながら長く着られるから、長い目で見るとお得」
っていう説明、よく聞きませんか?
「ミシン縫いの場合はお直しができません」とも聞きますね?
つまりですね、着物を和裁で作る人たちにとっては、
1.手縫いだから布に穴が開かないし傷まない
2.着物は高価でも代々受け継ぐことでコスパは良い
と主張している模様なんです。(間違ってたらぜひ教えてください^^)
ミシン側の弁明
僕は着物をミシンで縫う派なんですが、上記の考えについて、もう少し説明させてください。
どちらでも折り目は目立つ
この写真は、僕が昔 呉服屋さんで仕立てた木綿着物の裾(すそ)です。
何度も洗濯しているうちに縮んできたので、裾の中に縫いこまれた縫い代をいったんほどいて、より低い位置で縫い直し、身丈(みたけ)を長くしたんです。
手縫いで仕上げてもらったので縫い目は目立ちませんが、長いこと折りたたんだままの裾のラインは消えません。
これは、手縫いでもミシンでも変わらないのです。
僕はフォーマルなシチュエーションで着物を着ないので、少々のシワは気にしません。
デニムの裾が多少傷んでいても、味になったりしますよね?
そんな感覚でシワや色あせを楽しんでいるのです。
縫い跡も気にしない
手縫いの糸をほどくと、跡がほぼ残りません。だいたいこの矢印の辺りが手縫いをほどいた後です。
もう全然見えませんね^^
それでは別の生地ですが、ミシンの縫い目はこちらです。
これをほどくと、こんな感じにシッカリ跡が残ります。
どうなんでしょう、今回ほどいたのは袖の下なんですが、至近距離でしっかり見ないと分からないですし、分かったとしてもそんなに恥ずかしいことではないと思うのですが。。
ミシン縫いでも気にせずほどいて、お直しできる!というのが僕の主張です 😀
ミシン縫いでもお直しできる
僕はたまに仕立て屋さんにオールミシン(全てミシン縫い)で仕立てを発注するんですが、その際の注意事項として
ミシンのためお直しできません
と言われてしまいます。
これって本当なんでしょうか?
僕は自分用にミシンで縫った着物の裾や袖をチョイチョイっとほどいてはまた縫う、というお直しをたまにやっていますが、特に直せなかったことはありません。
布や糸によってはお直しできない
あ、でも「しじら織り」の既製品の浴衣を直すべく糸をほどいていたら、布ごと切ってしまったことがあります。
このグレーっぽい布地が細かく波打っている中をグレーの糸が細かく縫ってあるんですw
これは全然分からないのです^-^;;
なので、
- 細かく縫われている
- 布が波打っている
- 布と糸の色がすごく似ている
こんな条件下だと、やはりミシン縫いはお直しができない、というのも分かります。
とはいえ、そこまで限定されたシチュエーションにそんなに多くは出会わないので、「基本的にはミシンでもお直しできる」でいいと思うのです。
ミシン縫いでも子に受け継げる
以上の理由により、ミシン縫いでもお直しができます。
縫い代の中に余裕の生地を折り込んでおけば、糸をほどいて引っ張り出し、長くお直しもできるのです。
逆に、普段から回数多く来ていれば、布地が傷んできますから、子に受け継ぐ前に着物がダメになりますw
お膝をつけば膝がしらから布が傷みますし、洗濯機の優しいモードでも少しずつ傷みますからね。
子や孫に受け継ぐというのは、たまにしか着ない上等の着物の話だ、ということなのだと思います。
カジュアルな着物でも、もちろんたまにしか着ないなら傷みませんし汚れませんから、もちろん子に受け継ぐことも可能なわけです^-^
納得頂けましたか?
これまでの僕の学びは以上の通りですが、何か別の視点などがありましたら、ぜひご指摘くださいね。
今のところは、
カジュアルな着物ならミシンでもお直しできる!子に受け継げる!
ということなのでした(^-^