今日は夕方に、川辺の公園を散歩しておりました。まだ虫の音にセミの声が混じる夏の終わりですが、秋も着実に来ていますね。
少し早いかもしれませんが、秋の夕暮れの和歌です。清少納言ちゃんも「秋は夕暮れがきれいよね」って言っていますし。
夕されば野辺の秋風身にしみて鶉鳴くなり深草の里
古語が少ないので訳す必要はないかもですが、僕が訳すと、
夕方が来ると野辺の秋風が身にしみて、深草という名の里にウズラが鳴く。
となります。まんまですねw
ウズラの鳴き声を聞いたことがなかったので、youtubeで聞いてみました。こんなだそうです。鳴き声はだいぶ終わりの方です。
かわいいですよねw
これが草の生い茂る里の夕暮れ時に鳴くことをイメージすると。。哀愁ただよう中にかわいらしさを感じるような。。気がします^-^
この歌だけ読むと以上の解釈で終了なのですが、実はこの歌、モテ男の物語「伊勢物語」を踏まえているそうです。
ウズラは女であり、男の再来を待っているのです。女から会いに行けない時代でしたから。
深草は京都市伏見区にある、平安時代の別荘地。バカンスで恋に落ちるとは。。このモテ男、なかなかやりますね。
Google Mapsで計ると、京都駅から深沢駅まで徒歩で42分。牛車(ぎっしゃ)での移動ですから、徒歩と同じスピードと見ていいでしょう。
そんなに遠くはないですよね。今で言うと東京都心から横浜まで電車乗るくらいな。だったら会いに行ってやれよっていう。
遠くないからこそ、あきらめきれず来ない男を待ち続ける女、そしてウズラの鳴くほど草の深い里、夜に向かって落ちていく夕日。
この辺りのイメージが相まって、味わい深い歌となっているのでしょうね^^