茶屋のウェブサイトを見ると、それぞれ茶屋内のお茶の種類を説明してくれています。「甘味があって濃茶にも使えますよ」とか「バランスが取れていて初心者にぴったり」とか。
でも伊藤園とか福寿園とか、メーカーを横断して「伊藤園の華の宴の味は***で、それに対し福寿園の青仁の白は***」といった味の比較の情報がないんですよねー。
最近は茶会を頻繁に催しており、仲間うちの領域を超えて もてなすこともあり、より慎重なお茶選びが必要となってきました。
そんな折に茶道の先輩から飲み比べ会の話が上がったので、会を催してみました。
先輩によると↓のような理由だそうです。
茶道を始めてから抹茶を好きになり、家でも飲みたくなりました。でも分からないことだらけで困りました^^;
- どこで買えるのか
- 茶屋ごとに特徴があったりするのか
- 同じ茶屋でもグレード(価格帯)ごとに味の印象がどう違うのか
検索で「抹茶 おすすめ」「抹茶 おいしい」などと調べると似たような質問を多く見かけますが、どれも回答者が自分でおいしいと主観で感じるものを紹介するばかりでした。
「苦さ」「甘さ」「香り」といった客観的な言葉で、味を分かる情報を見つけられなかったのです。例えば香りも「弱い→強い」の1基準だけでなく、「青々しい」とか「花のよう」などと、色々な方向がありますし。
グラフで特徴や印象を誰かがまとめてくれれば、私の抹茶ライフが充実するのではと思いました。では自分で飲み比べ会を催してみようと思ったんです。
コーヒーや紅茶と同様に、抹茶にも「おいしい」「おいしくない」だけでなく、個性や特徴があるはず。それを踏まえて、飲むシチュエーションに合わせて抹茶を選びたいのです。
そうそう、お客や自分の好み、そして状況に合った特徴の抹茶を選びたいものですよね^^
そういえば全員洋服でしたw もはや着物からかけ離れています。
でもね、僕のやりたいのは着物だけじゃなくて、日本文化全体を僕らの生活のなかに取り戻すことなんですよ。読者の皆さまも、やっぱりそう思いません?着物だけでいいという人は、きっとむしろ少ないですよね 😉
結論:苦行。
飲んだ抹茶の数なんと20杯。午後2時に始まり終わったのが6時半。
みんな最後はげっそりでした。エンターテイメントには程遠いのだと、やってみて初めて分かりました。
では、その経緯を追っていきましょう!
共に飲み比べを行ったのは3人。元お茶屋さん、元食品系の研究者(今はコーヒーの修行中)、茶道の先輩。これだけ良い人材をそろえれば、なかなか説得力のあるテスト結果にるだろうと楽しみなのでした ^-^
食いしんぼの集まりのためか、飲み比べの前に、持ち寄った果物とマフィンを食べます。
ちなみに抹茶の合間には干菓子を食べました。茶道の先輩の手作り^^
左上と下は雲平(うんぺい)、右上は州浜(すはま)。
店主はこの店を始める前にITの技術者をしていたのですが、その仕事内容はテストでした。製品の品質チェック的な。今回は抹茶のテスト。でも、僕は味覚にあまり自信がないのでテスト中は書記ですw
↓のように、条件を毎回同じにして茶を点てれば、違いがより明確になるのではと予想しました。
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毎回の準備:茶碗は温める。茶筅を洗う。同じ人が同じ姿勢で点てる。
抹茶:3.0g(薄め), 3.5g(普通), 4.0g(濃いめ)
湯:140cc、75度C
かくはん:茶筅を茶碗の底近くで12回振り、真ん中で12回、表面で12回振り、最後”の”の字に回し引き上げる。
飲み方:4人で一口ずつ回し飲む。表層~低層で味が違うので、同じ一服で3周する。
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重さは0.1g単位で量れるメジャーを使いました。
最初は福寿園「青仁の白」を普通の濃さ(抹茶3.5g、お湯140cc。4人用です)で飲み、これから飲む茶の旨味・甘味・苦味を計る際に、これを真ん中とする。
多めの一杯を点てて回し飲みます。表面、中ごろ、底面で味が全然違うので、3周します。飲んだ感想を紙に書いて、感想を言い合います。
↓の順番で飲みました。
- 福寿園「青仁乃白(せいじんのしろ)」
- 伊藤園「華の宴(はなのえん)」
- 芳翠園「九重(ここのえ)」
- 一保堂「京極の昔(きょうごくのむかし)」
細かいことはよく分からなかった、というのが第一の結論ですw
甘さや苦味、口当たりなど各基準で見てもらったものの、みんな違う感想なのでなかなかまとまりません ^ー^;
でも、「***で飲むなら何がおいしかった?」と聞くと、だいたい感想・印象が一致するようです。
シチュエーション | お茶 | 理由・印象 |
本日のベストは何でしたか? | 伊藤園「華の宴(はなのえん)」 | バランスが取れている。香りが草原の中のレンゲの華のように可憐。 |
ランチ後の一服なら? | 芳翠園「九重(ここのえ)」 | 苦味(ロースト感)もあり、しっかりしている。パリっとした印象。 |
起き抜けの一服なら? | 福寿園「青仁乃白(せいじんのしろ)」 | 旨みが強く、香りは野菜(中でもウリ)のような青さ。 |
茶会の薄茶席で飲むなら? | 一保堂「京極の昔(きょうごくのむかし)」 | 味が濃いめで香り豊か。苦味もあるが旨みもあり、後味が長い。 |
↓が今後の改善点など。
- 薄めでも濃いめでも、全体的な印象は変わらない。普通の濃さだけ飲めばよい。
- 2種目までは楽しめたけど、後半は疲れてくるので4種目の印象は悪くなり不利。
- 「薄茶」って全然薄くないw 20杯飲んだら胃が大変(普通飲まないけど)。
どうですかねぇ、これの軽い感じのイベントならやりたいと思いますか? ^-^
和室で良い景色を見ながら、違う種類の抹茶を3服飲むくらいな。で、「ワタシはコレが好きだ」としゃべってみるとか、次回の茶会でこれ使おうとか、普段使いの参考にしようとか。
コメント
こんにちは。
抹茶のテイスティング・レポート、大いに参考にさせていただきます。
と言うのも、近々、満を侍して茶道のお稽古デビューをするのです。友人が手ほどきをしてくれることになりました。
家庭菜園の芝生の上で“庭茶”を楽しみたいという夢へ第一歩を。
ゆくゆくは、日本から抹茶を取り寄せることになると思うのですが、その際、銘柄選びに役立てますです。
それにしても、20杯とは!カフェインの多量摂取で、その晩は眠れなかったんじゃありません?!
Best wishes,
Yoko
Yokoさん、こんにちは。
参考になったようで何よりです^^
そうですか~お茶の稽古デビューですね。外で点てるのも楽しいですし 😀
はい、その晩は午前3時ころまで布団でゴロゴロしたり本読んだりしてました、眠れなくて。。