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着物業界の問題点まとめ &対策

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昨年夏に店を始めて8ヶ月経過しました。見守ってくださっている皆様に現状と今後を報告したいのですよ。

今日は僕の見てきた着物業界の問題点をまとめると共に、その対策を書きます。

※ その後の記事:「着物業界の問題と対策 2016年秋バージョン

追記 2017/7/7

その後は楽天に出店しましたよ。↓に書く業界の問題点を少しでも改善しながら商売しています。

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楽天のワカモノキモノ:http://www.rakuten.co.jp/wkimono/

 

問題リスト

一口に「着物が衰退している」と言っても、その原因は様々で、人それぞれの状況や段階により違います。

段階ごとに細分化するとこんなです。

■ 着る人/お客さん側から見た問題

  1. そもそも興味がない
  2. 興味はあるが着物がないし着方も知らない
  3. 着物は高いイメージがあるし、呉服屋に入るのが怖い
  4. もらった着物はあるが着方が分からない
  5. いわゆる「お直しオバサン」
  6. 着付けを習おうにも教室の料金が高いし、学ぶのが大変
  7. 「自装だけ・手荷物不要・低価格・押し売りなし」の着付け教室を見つけづらい
  8. 着付けを習って着物を買ったものの、着て行く場所がない
  9. 「自分では作れない」誤解

■ 着せる人/業界側から見た問題

  1. 呉服屋の高級路線化
  2. 呉服屋の多過ぎるマージン
  3. 呉服屋の手土産 & 言い値
  4. 職人の少なすぎる手取り
  5. 職人の仕事が海外に流出
  6. 「付き合い」という名の店しばり
  7. 無駄な制作ステップ

もう山積でヤバぃすw

業界内でそれぞれの役割の進む方向がちょっとヘンに見えるので、交通整理的なことをしないといけないと思うんですー。まーでもこんな大きな問題を小さな個人が取り組んでいますんで、気長にやります^-^

さぁ、それでは一つずつ詳細を見ていきましょう。現時点で考えられる対策も書きます。

そもそも興味がない

この層は特に問題なく、対策も不要だと思います。着物や日本文化全般に興味がなければ、こちらがどうがんばっても変わらないですよね^^

色んな人がいていいと思うので、興味ある人だけに絞って努力したいと思います。

興味はあるが着物がないし着方も知らない

この層ですよね、アシストすべきは。

着物と着方を知らないと、カモにされやすい層とも言えます。彼ら/彼女らのデビューを、品質を落とさないまま適正価格で支える必要があると思います。

この層にとっての入り口は呉服屋か着付け教室になるでしょうから、

  • 検索ランキング上位に入る
  • Naverまとめなどに加えてもらう

などしてネット上でアクセスしやすい場所にいる必要がありそうです。
(しかしランキング上位は奪い合いで多大なる労力がかかります。スモールビジネスとしてはゲリラ戦的なアプローチからやるのが妥当かもです)

その上で適正な商品やサービスを紹介したらいいのではと。

着物は高いイメージがあるし、呉服屋に入るのが怖い

楽天などのネット上のショッピングモールではデビューセットが安く売られているのですが、呉服屋や着付け教室(での押し売り)によっては金額の桁が1~2個多いようです。

そうすると、初めての着物業界へのコンタクトを当店が押さえなきゃです。。大変ですが。。

ネットショッピングであれば、着物は買う前に検索などで知識を収集するでしょうから、ネットでの露出を高める必要がありますね。

着付け教室については、「着付け教室(スペース)」で「口コミ」と補完されるんです。でもその結果上位10サイトは、「口コミ」を謳うもののヤラセのみでリアルのレビューがないという。。僕がそういうウェブのシステムを作ってもいいのですが、結局、検索上位に上がらないと誰も使ってくれないんですよね。目下は僕が個人的に情報収集して、ブログで公開します。

商店街の実店舗は、若者はもはや一人で足を踏み入れないですよねw ショッピングモールに入っている呉服屋なら入るでしょうが。。僕自身が安全と確認した呉服屋でイベントでもやりましょうかね、「着物屋って怖くないんだよツアー」とか?

もらった着物はあるが着方が分からない

Youtubeで非常に上質な着付け方法の動画はあるものの、それでも着方が分からない人は多いです。自分なりに着た方法で合っているのかチェックできないですし、スマホしかなければ画面が小さ過ぎて理解できないですしw

その場合は着付け教室に通う必要がありますね。本来は親が教えてくれればいいのですが。。

いわゆる「お直しオバサン」

※ 僕は男性のためか体験したことはなく、僕の周りの人たちから実体験を聞いただけです。違うようでしたらぜひご指摘ください。

せっかくがんばって着ても「あなた着方間違ってるわよ」と道端でご指摘くださるご婦人がいらっしゃるそうです。本当にその場で直してくれればいいのですが、指摘だけして去っていく人もいるようで、その日の外出は楽しめなくなるのです。

こういった方々の話を聞くと「着物デビューするならまじめに着付けを習わないと」と、ハードルが上がるわけです。

この対策はかなり厳しいですがw、着付け教室の回数と価格を下げる方向から解決すればいいのではと。

着付けを習おうにも教室の料金が高いし、学ぶのが大変

「無料着付け教室」を謳って着物を買わせる場合は結局お金がかかりますし、まっとうな商売をしている着付け教室も、当然ながら数万円はかかります。

だからといってボランティア主催の一回千円などの教室だと、着付け方法が特殊だったり道具一式を持参しなければならなかったり、デメリットもあります。

上記2ケースをくぐり抜けたスバラシイ教室はかなり少ないようで、そのような教室の露出度をネット上で高めていく必要がありそうです。

僕が勝手に採点して、レビューサイトの叩き台にしましょうかね? その後に実際に行った人たちにかぶせて評価してもらうとか。

「自装だけ・手荷物不要・低価格・押し売りなし」の着付け教室を見つけづらい

価格についてですが、ボランティアなら一回千円が相場で、会社などの営利団体が主催なら安くても一回当たり2千円が相場。合計すると数万円かかります。

でも本当にこんなにかかるのかな。。?襦袢、長着、半幅帯、名古屋帯だけで?この5つを一回ずつ受けて合計1万円くらいというのが僕の「普通」の感覚なのですが。。女性の皆様いかがでしょう?

自装だけじゃなくて他装も習うからそんなに回数が増えて料金も上がるのでしょうか?

教室によってメニューが様々なので、たくさんの教室を一つの基準で内容を審査して、公開したらいいですかねぇ。食べログの着付け教室バージョンみたいな。タイトルは。。「きつきょうログ」?ダサいですね。。

着付けを習って着物を買ったものの、着て行く場所がない

今のところ着物といえば結婚式などのフォーマルな場所に着ていくのが一般的なイメージですよね。

僕個人としては着物を着てスタバ行ってもピザ屋入っても全然いいと思うんですよ、カジュアルな街着物なら。

でもそういう場所は着物率が超低いんで、店に入ったらスタッフもお客も「あれっ」ていう顔しますよね。この視線を気にせず振舞うには、「オレ/わたしのコーデ合ってるし、かっこいい/かわいいし」っていう自信が必要ですよね。

この自信を身につけるには何度も何度も外出して着慣れないとなんですよね~。

その「着慣れの場」をもっと提供できたらいいですね。既に都内では「着物でビール」といった企画があって人が集まっているようですので、着物デビューした人たちそれぞれのキャラに合わせたイベントを少人数でも種類多くやってみたいものです。

例えば。。

  • 街歩き:ジャパンな町の千駄木・上野・浅草。西洋文化の渋谷・原宿、恵比寿・代官山。
  • ランチ:蕎麦、寿司、天ぷら。イタリアン、ピザ、フレンチ、スパニッシュ。
  • ものづくり:つまみ細工、帯、茶碗、書道教室
  • 飲み:普通の居酒屋(着物なだけでアガる)、日本酒、ワイン
  • 茶:カジュアルな茶会、煎茶/抹茶のワークショップ(おいしく煎れて/点てて飲むだけ)、コーヒーのワークショップ(最先端のサードウェーブを味わう)

くらいな? 😉 イベント屋になりたくなってきましたw コメント/メッセもらえれば、人数集まった時点で開催します~。

でもね、思うんですけど、もう現代の呉服屋はお店で着物を売っているだけだと実店舗に人は来ないしネットだと安売り横行だしで、難しいんじゃないかと。

反物見つめてウンヌンじゃなくて、着る場所を提供して、着る人とのハートフルなつながりを持って商売を進めていった方がイイと思うんですよね~ 😀

「自分では作れない」誤解

小学校で習った裁縫スキルとミシンがあれば、半幅帯も名古屋帯も作れてしまうんですよ。長着だと大変ですが。

ワークショップも当店では開催していますが、参加人数がまだまだ少ないので、まずは半襟教室的なのから開催した方がハードル下がりますかねぇ^^

順序は例えば、半襟→半幅帯→名古屋帯 的な?

呉服屋の高級路線化

元々高級な呉服屋と、低価格な「太物屋」(ふとものや)という大きく分けて二つの系統があったそうです。それがバブルの際に高級路線が持てはやされたためなのか、太物屋はいつしか消えてしまいました。

今の呉服屋が変わる必要はないと思いますが、少なくとも太物屋ポジションの着物屋が街に増えるといいなと思います^^

今の呉服屋も、和室に通してくれて、お茶飲んで、世間話して、それでは反物を見るため別室へ。。みたいな贅沢な買い物も、すごーくステキな体験だと思うんです 🙂 僕が30歳で始めて経験したときはもう「いやー自分も大人になったものだ」としみじみ感じたものです。

呉服屋は変わらず残り続けるためにも、(価格で言う)ピラミッドの下を支える客層と店が必要だと思うんですよ。その低価格を買った中から高価格帯へと移っていくものですよね?

呉服屋の多過ぎるマージン

ブランドのバッグなどを買うのであれば、素材が安いコストだったとしても、そのブランドの持つイメージや雰囲気を買うのですから、問題はないですよね。

しかし着物イコール全て高級というイメージがついてしまっていて、ブランド力を求めていないお客にも安い卸値・高いマージンが発生する場合も多いようです。

ネットでは適正価格で売られているようですが、実店舗だと接客料や在庫コストを補うためか、無駄に高価格となる傾向があるようです。

※ネットのショッピングモールでは検索で「安い順」とすると必然的に高い方が淘汰されます。「分かる人」が高価格帯を買うことになります、おそらく。。

呉服屋の手土産 & 言い値

昔ながらの商習慣も含めて着物は素晴らしい文化だなと思うんですよ。でも若い人に残していきたい場合、僕らは検索して同様な商品を価格・質ともに比較して買いますよね。そうすると現地に行って「これいくら」と聞かないと分からないのは、大変効率が悪いわけです。

手土産やお茶なども、高級路線の呉服屋はそのままぜひキープして頂きたいのですが、もしそれでやっていけないならチェンジで、ドライにコストカットしたらいいのではと。

職人の少なすぎる手取り

中国・ベトナムで仕立てれば納期は遅いが安い。よく聞く話ですよね?

でも、呉服屋のマージンが高いのが本当であれば、国内の職人と直接つながれば絶対安くなるのに。。と、もどかしいです。どこに隠れているのでしょう?職人さんって。つながりたいですー。

むしろお客さんと直接つなげたいんですよ。職人の収入は上げて、お客の支払いは下がる。ネットビジネスの王道はこうした中抜きですよね。職人もお客も取引が終わったらお互い星を付け合い、レビューによる品質管理をするという。

僕が職人さん数人とつながれば、さっそくそんなシステムを作って、お客さんに安く安定した品質の仕立てサービスを提供するんですけどねー、どなたかヘルプ 😉

職人の仕事が海外に流出

上述のシステムが完成しても、ベトナムの職人もそのシステムで安い受注を謳えば結局同じことになるかもしれません。今既に安い海外に職人の仕事が流れていますからね。

でも発注するのはお客さん自身なので、お客さんが海外を選ぶならしょうがないと思うんです、呉服屋がバックエンドで選ぶのでなければ。僕自身は日本に技術が残るといいなぁと思いますが。。^^

食品でもそうですよね。同じようにおいしい食べ物を買うのでも、顔の見える日本の農家から安全な食材を買いたいという人は多いですよね。

コーヒーでも同様に、農家を指定して直接仕入れて農家の利益を上げようという流れが全世界で起きていますよね。

同じ事が、消費者と職人を直接結んだときにも起こるといいなぁと思うのです^^

「付き合い」という名の店しばり

昔ながらの買い物はこんなだったという話を聞いたことがあります。

  • 客は店に行ったら必ず買う。それが付き合い。
  • 店は客が来たら必ず買ってもらう。その分 何でも面倒なことを引き受けますよ。

これだと、お客は着物を一つの店しか選べなくなるんですよね。今までの流れや好みを知ってくれているから便利は多いのですが、デメリットとしては↓こんなです。

  • 慣習を知らない人が店に入ると「売り込みされた」と感じてしまう
  • 外界をしらないので適正な価格・品質が分からない

企業向けIT業界でも同様に「ベンダーロックイン」と呼ばれて、顧客企業が嫌って避けます。安定したシステム運用になり全ておまかせが可能なのですが、一般に料金がけっこう高い上に一度ここに引き込まれるとなかなか脱出できないのです^^;

まー、僕らの世代は、「ジーパンはユニクロ、シャツはGAP」と別々の店で買うのに慣れていますからね、こういったお買いものスタイルに店側は適応していく必要がありそうです。

無駄な制作ステップ

僕が長着と羽織を作って初めて分かったのですが、無駄な工程がちょいちょいあります。

■ あげ

「あげ」っていう部分ありますよね、腰の辺りにある縫い目。

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参照:somesho.com

これって成長期の若者や、その後着物を受け継ぐ場合には身長の調整ができるので便利なのですが、今の時代って子供に服を譲ったりしないですよね?w 成長期が終わったら必要ないし。

あげの縫い目って帯で隠れるから見た目上はなくてもいいんです。

■ 衽 (おくみ)

衽は、本体にさらに幅を持たせるために追加で縫い合わせるパーツです。「あげ」を本体で縫った後に追加するので、衽には「あげ」の縫い目がありません。

「あげ」をなくすことで、反物ではなく幅広の洋裁地で着物を作れます。(図解が必要なので理由はまた今度にします)

反物は幅が広くても40cm程度。洋裁地なら1mあるのも普通です。洋裁地なら本体の幅を広げるために衽を追加する必要がないんです。表向きに縫い目が見えていればいいだけなので。

元々つながっている一枚の幅広の洋裁地を、2cmほどつまんで縫い、縫い合わせたように見せるだけ。(すみません説明が意味不明だと思います^^;;)

■ 袖付 (そでつけ)

反物から作るのであれば、袖と本体は元々分離しており、縫い合わせる必要があります。洋裁地を使えば元々幅広い一枚の生地なので衽と同様に縫い合わせなくていいのです。

このように、今僕が見る限り見た目に影響ないステップ省略3つが可能です。これにより制作コストが削減できます。

しかし現状では、どうやら呉服屋は仕立てを依頼するだけ、職人は受けるだけなので、省略した仕立て方法でコスト削減というのは誰も言い出さない模様?みたいです。

3ステップ除いて仕立て代1割引、とかやってもいいですよね^^ 当店はそのうちやりたいです。

まとめの最後のまとめ

いやー超タイプしました!書きましたわー。業界の人たち、読んで共鳴したらコメントほしいです、つながりましょう^^
和裁やってる個人でもいいですよ!

当店へはこちらから

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以上の問題点を少しでも改善した上で、楽天に出店しました。どうぞご覧になってくださいね 😀

ワカモノキモノ:http://www.rakuten.co.jp/wkimono/

当店の商品

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