目次
学んで話すイベントに行ってきたょ
自由大学の着物学の担当者さんに呼ばれて、イベントに行ってきました。
なぜ呼ばれたかというと、男性率が低いのと、僕は製作・販売・イベントやってるのと、なんとなくおもしろいからだそうですw
内容は、
- 第一部:江戸小紋の型染め体験
- 第二部:スタイリストとコーデを考える
- 第三部:3グループに分かれてお話
でした。
まずは感謝
自由大学さんによると、今回のイベントって新しいんだそうです。職人・小売・一般ユーザが販売目的でなく一同に会してお互いの要望や状況を伝え合うって、今までなかったんだそうです。
そりゃーきっとすごいんですよね、きっと 😀 僕もそんな場所に立ち合えて光栄です~ 🙂
染めの現場の迫力、職人さんのパワー、小紋が作られる工程、できること・できないこと、本当に学ぶことが多かったです。今後のIT化や販売に活かしていけそうです。
型染め体験
集まった会場「東京都染色工業協同組合」からみんなで工房まで歩きます。
こちらが工房入り口。木の葉が赤く染色されています。ここで一句
木の葉まで黄色く染める富田かな
入ると型紙がたくさん置いてあります。
型紙。美しい。。
職人さんがじきじきに教えてくれます。
染料を塗っているところ。
機械も見せてもらっちゃったりして。
また別の型紙で染めてみたところ。途中に空白ができてしまっているのが、生徒がやったところですw
↑の体験に加えて、各段階で職人さんが細かく説明をしてくれました。
そして第二部で元々の会場に戻ってきて、スタイリストさんが江戸小紋や江戸更紗を使ったコーデを見せてくれるのです。第三部でグループごとに職人さんも混じってお話する、貴重な機会が得られたのでした^-^
僕から見えた、着物不振の原因
ただ、せっかくなので僕視点から見えた懸念点はシェアおこうと思います。
※批判が目的ではなく、まずは原因が見つかったことが前進だと思っています。対策の打ちようがあるからです。
2つありますよ。
懸念1.業界の集まりなのに着物率めっちゃ低い
ハレの日の着物と普段の着物と、どちらが増えてもいいと思うんですよ。
ただ僕としては普段から着たい派なんで、そちら側から言うと、
ホント着物って生活に浸透してないんだなあ~~~(゚Д゚;)
ということがよく分かりました。
作る側や売る側を含めた集まりなのに、30人弱の中の5人ほどしか着物を着ていませんでした。
着物を着なかったことを批判するつもりは一切なくて、世間の着物に対する認識ってこういうことなんだなと学びました。
で、どうして着物率が低いのかな~と聞いてみたところ、
おそらく
- 今日は雨がひどかったし、
- これから染め体験をするから汚しちゃまずいし
ということなんだそうです。
まさしくここがなんとかするべきポイントなんじゃないかと、引きの視点から思うわけです。
だって、じゃ、
- 洋服なら濡れてもいいの?
- みんなきれいな洋服着てるけれど、それなら汚していいの?
と、着物普段着派の僕としては素朴に感じてまうのですよ。
着物ってハレの日に着るから汚さないものっていう無意識の認識がそこにあるわけですよね。
ハレの日にどんどん着物を着ましょう!ていう運動でもいいんですけど、普段着物を増やすんだったら、
- 汚れても濡れてもいい着物を売ろう
- 豪雨でも足元が大丈夫な着こなしを提案しよう、長靴コーデとか。
みたいなのが遠回りのようでいて、本質を突いていると思うんですよね。
懸念2.会場が椅子でみんな靴
僕はその日、出発前に家で時間が余っていたので、着物で畳に正座していました。
座禅を組むわけではないんですが、BGMもかけずに和室に一人で畳の中央に座って数分だけ正座するの、癒されるんですよね~^^
特に、お茶の練習のときは羽織を脱がなきゃなんで長着と帯だけスタイルなんですが、単に出発前だと羽織もはおった状態で正座するのです。
羽織って洋服でいうと柔らかなカーディガンのように、そっと優しく後ろから包んでくれてる感とかありません?w 僕だけかなぁ 🙂
そーんな朝を過ごして豪雨の中をチャリ&着物&傘で駅までGoするわけです。
会場についてみたら、靴は脱がずにパイプ椅子に座る、普通のプレゼンスタイルでした。
あれ?と思いました。僕だけだったんでしょうか、そこに違和感があったのは。
僕はてっきり畳だと思って、長靴だったものの脱いでもいいように足袋をはいて行ったんですが。。
着物普及活動の話をする僕ら自身が、和の暮らしをしていないんですよね。
これは、あ~~~~そうか~~~~的な。そりゃ着物もハレの日だけだわと。
僕はまだ仮説・検証段階なんで確かなことは言えないですが、着物は大きな日本文化の中の単なる一部分でしかないと、僕はとらえています。
和のコンテンツのためのインフラとして着物があったり、雰囲気を添えるもの、文化をより深く吸収するために着物があったりするということです。
お茶や踊り、落語の稽古なんかは、ハレではなく普段から着物が「必要」なわけですよね。そうしないと体の動きが洋服と違いますから、稽古にならなかったりする。
普段の和の暮らしでも、畳での振舞いや、箸で和食を食べる動きも、着物を着るとまた変わってきたりします。
単に「着物はきれいだよ、着ようよ~」的なアプローチだと、よくある文化復興運動で政府からお金出たけどあまり効果が出ませんでした、という結果に終わるのではと。。
それはそれで正しいことを言っているとは思いますが、もっと着物の周りにある他の文化や、普段から着物を着ている人たちの環境を見つめるアプローチがあっても良いのではと感じたのでした^-^
帰り道
帰り道は寄り道で、舞浜のイクスピアリ(ディズニーランドの隣りね)でビールとチキンでガッツリ飲んで参りました 😀
お姫様気分です
いえーい
じゃ皆さん、また書きます!Bye for now!
コメント
それ、着物の問題点のめっちゃ本質だと思います。
洋服なら濡れてもいいの?洋服なら汚れてもいいの?そうです、だってとりあえず、値段からして違うし、万一ダメになっても簡単に買い替えられるし、洗濯機でガーッと洗えるし、洋服なら長靴で合わせられるし。それにたもとが長くないから染色体験しても作業しやすいし。
ここ問題ですよね。長靴でもOKなコーデを普及させましょう。着物の値段を下げ過ぎるのは製造過程で携わる様々な職人さんや材料に対して悪影響、とばかり考えていましたが、とりあえず着物の普及から考えると、雨でも気軽に着られる着物、洗濯機で洗えて(今でも洗える着物って出ているけれど、実際に洗ったら風合いが落ちた)、作業中も袂が邪魔にならないためのタスキグッズももっとかっこいいのがあるといいし。(男性はあまり関係ないか?)、下着ももっと簡単になったらいいなあ。
動きやすさに関しては、洋服にはかなわないかな…。でもかなわなくても、それはそれ、これはこれとして、ファッションになればそこ多少犠牲にしても着ようという人はもちろんいるでしょう。
それから、子供のうちからもっと気軽に着られるといいかも。子供でも、自分で着られる着物を!
>それ、着物の問題点のめっちゃ本質だと思います。
ありがとです^^
>洋服なら濡れてもいいの?洋服なら汚れてもいいの?そうです、だってとりあえず、
>値段からして違うし、
既製品の長着なら5千円くらいでネットで買えちゃうのですが、それが知られていないのでしょうかねぇ?
僕は最近「着物着始めたい」という人にはネットの既製品を勧めているのですがー。
> 万一ダメになっても簡単に買い替えられるし、
その既製品なら同じものが何度も買えるのですがー。。
> 洗濯機でガーッと洗えるし、
その既製品はポリなのでガーっと洗えるのですが、「着物って洗濯機で洗えない」イメージが定着しているのでしょうかねぇ?
ゆきさんのように着物を着慣れている人でさえも。
> 洋服なら長靴で合わせられるし。
僕はその日長靴で出かけましたが、そのコーデは一般的ではないのでしょうね。。
例えば
https://www.instagram.com/p/BLna4_lgYs_/
の右側の女性なんかはブーツをうまくはきこなしていますがー。
> それにたもとが長くないから染色体験しても作業しやすいし。
そこは確かにありそうですね。袖をたすきがけかコーリンベルトで固定するといった一手間が必要になりますから。
>ここ問題ですよね。長靴でもOKなコーデを普及させましょう。
確かにそうですねぇ、袴にブーツだと大正時代っぽくなりますから、↑のインスタ女性のような、長着にブーツがはやるとよいのかもですね。
>着物の値段を下げ過ぎる
>のは製造過程で携わる様々な職人さんや材料に対して悪影響、とばかり考えていました
>が、
最近別の着物屋さんと話していたのですが、低価格帯しか買わない人はずっと低価格帯だし、高級路線の人は最初からそんな方向なんだそうです。
とゆことで、着物人口を単純に増やせば、その二つの山が同時に増えていくのではと今は考えています。
なので海外縫製・既製品の低価格の普及を恐れずに進めていけば、高級路線の山も同時に増えていくんじゃないかと思います。
>とりあえず着物の普及から考えると、雨でも気軽に着られる着物、洗濯機で洗えて
>(今でも洗える着物って出ているけれど、実際に洗ったら風合いが落ちた)、
ほんとですかねぇ、僕は木綿の着物二つ持っているけれど、めっちゃ洗濯機まわしてますよw
1つは風合いが落ちたというか色が落ちましたww 反物から染めたこともあり。
でも洋服も同じで、そりゃ洗濯機でがーっと洗えば傷むわっていうw
最近は手洗いモードなる洗濯機もあるようで、繊細な洋服や下着類を洗うのに適しているそうですね。
そんな微妙な風合いなるものを気にするなら、そりゃハレの日の着物なんじゃないでしょうかw
僕としては「染色体験だから今日は風合いが落ちたボロボロ着物で来ました」でいいと思うんですよね。洋服でいうジャージとかツナギとか。ボロさが逆にかっこいいという。
>作業中も
>袂が邪魔にならないためのタスキグッズももっとかっこいいのがあるといいし。(男性
>はあまり関係ないか?)、
まぁ、着物仲間の一人はかわいい柄の腰紐を常に持ち歩いていつでもたすきがけできるようにしていますよ。
そーゆーんじゃダメですかね?
>下着ももっと簡単になったらいいなあ。
そこは。。なかなか僕が立ち入れない領域で、困ったー^^;;;
>動きやすさに関しては、洋服にはかなわないかな…。でもかなわなくても、それはそれ
そうですかねぇ、今の和服って上流階級の服として作られたんですよね。下働きする人たちは袖が縦横短かったり裾も短かったでしょうから、そう作れば動きやすいのだと思います。極端な例だと作務衣くらいになりますが。
でもそれは洋服で言うと家の中で襟付きシャツとジャケットを着ているようなものなので、電車に乗ってお出かけしている際にはそんなダッシュとか洗いものとかする機会はないですよねw
和服でも作り方/着方によっては動きやすくもなるし、お出かけ用の着物なら動きにくくても問題はないということなのです。
あとはそのノウハウが広まるかどうか、といったところなのではと。
>、これはこれとして、ファッションになればそこ多少犠牲にしても着ようという人はも
>ちろんいるでしょう。
そうなんですよね。なので「着物はファッションだよ!」だけだと着る人は少ないと思うからこそ、僕としては着物の外側をより見つめるアプローチが必要だと思っています。
>それから、子供のうちからもっと気軽に着られるといいかも。子供でも、自分で着られ
>る着物を!
あれ?そんな既製品の安い子供和服ないんですか?
今調べたら
http://item.rakuten.co.jp/yukata-shop/sk-23/
のように、6264円+送料でプレタが買えますねぇ。
でもおはしょりがあったり二部式になってなかったりとかで、簡単に着られないところが問題ですか?
僕がリメイクしてもいいですしー。
いっぱいレスしてくれたのですね。ありがとう。子供の着物のサイト、見ました!あるのですね、こんな安いものも。いろいろ考えながら思い出しましたが…うちの母はいい着物ばかり持っていて、私が古着屋で自分の気に入った着物を安い!と思って買って行った時、「あんたなんでこんなの買って来るのよ、安っぽいし、やめなさいよ着るの」とけちょんけちょんに言われたことがあるのです。かなり衝撃で、それ以来母が嫌がるからとりあえず買わないようにしていました。買ったものも、いつもの着物とユキも身幅も違っていたし、なんだか着られなかった。今なら、図々しくなったから、母の見ていないところでなら着られるかも?インターネットで買う、母の目から見たら安っぽい着物でも、気に入ったら買って着られるかも。この歳にならないとできなかったことのような気がします。
それと、やはり着物というのは私の意識の中でハレの日のもの、のようです。くつろぎたい時、家で家事をする時、子供達を追いかけ回す時、着物を着る気持ちにはまだなれないかな…。別に私は一日中着物を着ていても窮屈には思わないですが、着物を着ると、所作が変わるし、やはり大人だけでお出かけとか、大人しくしていられる時でないとね…。
それを考えると、ハレの日or準ハレの日に着るわけだから、お気に入りを着たいし、やっぱり濡れたらイヤ!洗えばいいかもしれないけど、正直に言うと、ポリもイヤ!綿なら?洗えるし気軽に着られる?でも、洗ってみるのコワイ…(><)
ごめんなさい、こんなレスで…(T ^ T)
子供の着物は、私が改造してあげれば一人で着られるかもですね。ていうか、子供に着せる着物くらい、私が作ってあげられたらいいな…。
いえ、全然そんなレスで大丈夫ですよw
やっぱりそもそもですが、着物を使う目的がハレしかないんですよね。
ハレであれば正しく着たいしちゃんとした生地が良いし、ということになりますよね。
いつでも着物を着てもいいんだよー、という風土や雰囲気を作っていくのが、これからの着物屋さんの役割なのかなと思います。
お客さんとしては「いつでも着ていいよ」とだけ言われたところで、着ていく先々でびっくりされたのでは困りますしねw