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ついでに着せる戦法
先日和室でイベントがあったのですが、男着物を2着、余分に持っていきました。荷物になるので腰紐や襦袢、足袋などは持っていけないのですが。。
いつもの通り、和室の隅に着物をポンと置いておいて、タイミングを見計らって「着物あるよ?着る?」と声をかけます。もしくは、必ず「どうして着物を着られるんですかー?」といった僕への質問タイムになるので、そのついでに、すぐそばにいる男性をつかまえて「あなたのような人もサッと簡単に着られるんですよ、実は。着てみます?」と言って、たいてい「Yes!」と答えてくれます。
たたんである着物を広げ、はおってもらいます。帯は僕が彼らの周囲をグルグルして巻きます。
はい、できましたね。ちょっと緊張してます。
でも、カメラを意識しないと自然体になるようです。
もうおひとかたも。
「撮りますよー」といって撮れた写真。
「ポーズ決めてください」とリクエストしたらやってくれた図。
これを繰り返すと
これ、一人に一回やっただけだと特に効果はないんですが、イベントに何回か来てもらって、2~3回くらい着ると、だんだん次のステップに進みたくなる殿方も現れます。
話の流れで着物の入手方法になり、高いのは呉服屋でオーダーメイドから、安いのは古着屋とかネットのセットものとかの説明をするのです。
そうするとおもしろいもので、人により、「えー古着屋で2千円で買えるなんて、そんなティーシャツ感覚じゃん!」とか、「いやー、オレはアフターケアを期待しているし安いと品質悪いのかと不安になるから、それなりに高いのがいいなぁ」とか、様々な反応が得られます。
にしても、「ティーシャツ感覚」とはまたよく言ったものですね^^ 僕もどこかで使いたいです、この言葉。
で、その後彼らにリクエストされて、まずは門前仲町の古着屋にツアーに行くことにしました。
さらに彼らから提案されました。「このツアーでお金をもらえばいいのだよ。よく分からない店に行って分らないまま言われるがままに買うよりは、今後の知識になって安心して買い物ができるなら、それが価値だよ」だとのことです。
そういうものなのですね、検討します 🙂
和文化は未体験ゾーン
彼らに「なんで元々検索したりして着物を探してこなかったのに、僕が直接着せたら興味を持つようになったの?」と聞いてみました。
彼ら/彼女ら(この時代の若者)にとって、日本文化というのは、トルコ文化やアフリカ文化と同じくらいに遠いものなんだそうです。だから未体験ゾーンへの突入を求めて、全くの異文化として興味があるのだそう。
なので、いちいち全ての異文化を毎日気に留めるわけでもないようなのです。
それが、友だちの誘いでふらりと来てみたら、けっこういいじゃないかと。和室とか庭園とか着物とかって!みたいな。
その世界観まるっと気に入る中で、「着物もいいかも?」と思い始める模様です。
以上が現場からのレポートです。
さて、次は一般ユーザ向けというよりは、着物屋さん・会場屋さん向けですが。。
呉服屋さんの困りごと:若いお客が新規で来ない
僕はまだ業界経験が浅いので本当かは自信ないのですが、呉服屋さんが「既存の顧客基盤はとても上の世代。そろそろ腰が痛いとかで着物を着られなくなっている。なのに若い人が新規のお客に来ない」という困りごとがあるっぽいのです。
ほんとかな? 大手の呉服屋さんだと無料着付け講習をやったりして若い女性を獲得しているところもあるようですが。
小さなお店が、そんな風に困っているのかもですね。
僕の発見から言えることとしては、
- 単に「着物=かわいい!着たい!」となる層には、より簡単に着られる二部式などの着物で早々に手軽にデビューしてもらう。スイーツ付き写真撮影会なんかしちゃったりして。
- その他の層「なんか日本文化、知らないけどステキっぽいよね」については、まずは美しい和室とか庭園とかで世界観を少しずつ体に馴染ませていく。その片隅に着物がある。
くらいのスタンスで無理のない着物生活への導入を促していけばいいのではと思います。
「ちょっと話聞きたい」とか「うちもやりたい」とかであればスタバでお会いしましょう^^ コメントでもメールでも。