着物をこれから仕立てる方や、普段着として着物を楽しみたい方からよくいただく「半襦袢(はんじゅばん)」と「股引(またひき)」に関する疑問をまとめました。サイズ感や着用シーン、季節ごとの生地選びの参考にしてみてください。
目次
1. 半襦袢と股引の上に「着物」を重ねて着ても大丈夫?
基本的には「街着や普段着(カジュアルなシチュエーション)」であれば、全く問題ありません。周囲から見ても違和感のない、機能的で着心地の良いコーディネートです。
ただし、着用する「目的(シーン)」によって、おすすめの組み合わせが変わります。
カジュアルなシーン(普段着・お出かけ)
- どんなコーディネートでも自由に楽しんでいただけます。動きやすさと着心地を最優先して大丈夫です。
フォーマルなシーン(結婚式や式典などの儀式)
- 股引よりも「ステテコ」がおすすめ: 股引は着物の裾から見えてしまう可能性があるため、フォーマルな場では避けた方が無難です。
- 長襦袢(ながじゅばん)の着用を推奨: 格調高い席では、着物の裾の間から襦袢がきちんとのぞく「長襦袢」を着用する方が、より格式に沿った礼儀正しい服装(粗相のない装い)となります。
2. 夏用・冬用で生地を変えて作るときの注意点
季節に合わせて半襦袢や股引を手作り・オーダーする際は、以下のポイントを意識すると快適性が大きく変わります。
半襦袢の「身頃(みごろ)」の素材選び
半襦袢を肌着(肌襦袢)を挟まずに直接肌の上に着用する場合、汗をしっかり吸う素材を選ぶことが最も重要です。
- おすすめの素材: サラシ、綿、麻など(吸水性と通気性に優れているため、夏場や汗をかく季節に最適です)。
- 避けた方が良い素材:
- ネル素材(綿): 冬場は暖かく感じますが、直接肌に当たると汗を吸った後に乾きにくく、不快感に繋がることがあります。
- ポリエステル: 汗を吸いにくいため、肌に張り付いてベタベタしやすいので注意が必要です。
股引の素材選び
- ストレッチ性を重視: 季節を問わず、股引の生地には「横ストレッチ(伸縮性)」が入っているものを選ぶと、足さばきが格段に楽になります。
- 冬用の厚みに注意: 防寒のために冬用の股引を厚手の生地で作る場合、あまりに分厚すぎると、その上に着物を重ねたときにゴワついてしまい、歩きにくくなる原因になります。適度な厚みと防寒性のバランスを意識しましょう。
【追加Q&A】袴(はかま)をはく場合も、半襦袢や股引で大丈夫?
「着物ではなく、袴を合わせる場合はどうなの?」という疑問についてもお答えします。結論から言うと、半襦袢は非常に快適ですが、股引はシーンや防寒対策に応じて判断するのがおすすめです。
半襦袢について:とてもおすすめ
袴をはく際は、足さばきを良くするために着物の身丈(みたけ)をあえて短くして着ることもあるくらいです。そのため、お腹まわりや足元がすっきりする半襦袢は、袴との相性が抜群で非常に快適に過ごせます。
股引について:ルーツと格式を意識して選ぶ
少し専門的なお話をすると、実は「股引」のルーツは袴にあります。そのため、袴の下に股引を重ねるというのは、歴史的な感覚で見ると「袴に袴を重ねている(あるいはズボンの下にズボンをはいている)」ような状態に近くなります。
これを踏まえた上で、以下のポイントで選んでみてください。
- 見た目の問題: 通常、袴を正しくはいていればくるぶしまで隠れるため、下に股引をはいていても周囲から見えることはまずありません。
- フォーマルなシーン: やはり格式が求められる席では、股引は避けて「ステテコ」を着用するのが、よりすっきりと粋な装いになります。
- 防寒対策(冬場): 袴は構造上、下からの風が通りやすくスースーと寒さを感じやすいものです。そのため、冬場の防寒対策として割り切る形であれば、カジュアル・フォーマルを問わず「防寒のために股引を仕込む」というのも、現代においては現実的で賢い選択肢の一つです。
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着物は、シチュエーションに合わせたルールを少し押さえるだけで、ぐっと快適に、そして粋に着こなすことができます。ぜひお気に入りの生地で仕立ててみてくださいね。