暑くなる日本列島。ついたけ着物、襦袢なしで涼しい着物にチャレンジ。

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暑過ぎて奥さん気持ち悪くなる

2019年五月末。先週末は暑かったのです。
その日は夫婦で 神社→ランチ→踊りの稽古 のお出かけをしていたら、最後に自宅の最寄り駅に着いたときには奥さんが暑さのためか、気持ち悪くなってしまいましてね。日差しが強い中たくさん歩いたのですよ。
服装はこんな感じでした。↓
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単衣の絹の着物、二部式襦袢、肌襦袢といった服装でした。
かたや僕の方は、薄手の単衣のポリエステル着物、木綿の単衣の羽織、襦袢・足袋なし、の服装。IMG_7697
僕の方はすーすー風が着物の中を通るので総じて快適だったのですが、女着物というものは袖に空気は入るものの、胴体には通らないのですね。。かわいそうに。。(T-T

常日頃から感じていたのですが、女性の夏の着物は本当に暑そうで、我慢比べをしているみたいです。もちろん透け感ある布地で涼しさを演出していることは分かるのですが、構造を知っている僕としてはとても大変に感じてしまいます。

女着物はこんなに暑い

男と違い女着物は、

  • おはしょり
  • 腰紐2本(人によりますが)
  • 太い帯
  • 伊達締め
  • 帯締め
  • 帯揚げ
  • 帯枕

こんなにパーツが多いんですよね。(お太鼓の場合です)
さらに、人によりますが男女問わずに

  • 襦袢
  • 肌襦袢

をしていますから、着物全般が大変です。
着物の形が作られたのは江戸後期のようですが、その時は小さな氷河期ということで日本列島は寒かったそうです。
そんな時と同じ服装では、もう対応しきれないと思うのです。
特にここ10年ほど、本当に暑くなってきていますからね。5月後半~10月前半までは夏ととらえた方が良い気候。1年のうち半分弱が夏なわけです。
もちろんもはや「*月は袷、*月は単衣、*月は紗」のような決まりはもう通用しないとは言え、さらなる着物の構造改革が必要だと思うのです。

仕立てからのアプローチ

そんなわけで、

  • 布を一枚でも減らしたい
  • 空気の通りを良くしたい

という願いから、三つの施策を行いましたので紹介しますよ!

1.襦袢を着ずに半衿だけヘアピンでとめる

まずは即効性のあるものから。
「襦袢を着ない」方法です。着物は綿・麻など直接着て良い素材に限りますが、「キャミソールを中に着たら、次にそのまま単衣着物を着る」ということです。
半衿は、着物の衿に直接固定してしまいます。まずは半衿を着物の衿と同じ幅にして、ミシンで端を縫います。その際にヘアピンが入るように、長めに5mm程度の縫い目にします。
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↓着物の衿と半衿の布を合わせてヘアピンで留めます。衿の間に差し込む感じで。
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すると、こんな風に着物の衿に沿って半衿が付けられるわけなのです。
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半衿の前側がずれるのが心配であれば、ネクタイピンでとめても良いです。

2.繰り越しを長めに取る

すると、「衿はどうやって抜くの?」という問題にあたります。
普通は襦袢や「うそつき」を使って衿をあらかじめ抜いて固定した上で着物を着ますよね。
着物だけだとそれができません。

これに対しては「着方で衿を抜くのではなく、仕立て段階で抜いてしまう」アプローチです。
最近奥さんの浴衣を仕立てた時に繰越は2.7cmでした。
※「くりこし」とは、首の後ろの衿のラインを、どこまで後ろに下げるかというサイズです。
これを今回は7cm程度まで取りました。

効果のほどはどうかというと、奥さんは衿を抜く着方に慣れ過ぎているので、ちょっとなんとも。。効いているようないないような。
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もうちょっと経験を積んでから、またお知らせ致します^^

3.ついたけ着物でおはしょりなし

さて、今回の本丸であり、最もハードルの高い部分です。
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仕立ては簡単ですが、当然ながらおはしょりがないので見た目に違和感がありますよね。皆さまはどう感じますか?
踊りの先生に見せたところ、

おはしょりは女性のおなかとお尻の上を隠す役割もあるのよ。おはしょりがないとボディーラインが直接見えてちょっと恥ずかしい。

とか、

立っているだけならなんとかサマにはなるけれど、歩いたり、ましてや踊ったりするとはだけてきちゃうのよね。膝や太ももが見えてしまう。

ということでした。
いやはやごもっともで、おはしょりの内側の腰紐が腰骨の上から固定しているので、それがなければ当然はだけますよね。。男でいうと角帯の位置で、だからこそ男は腰ひもがいらないのです。

はだける件

はだけてしまうのを防ぐだけなら腰ひもを縫い付けてしまう方法があります。
↑の写真の通り、衿の下端と内側の身頃にそれぞれ腰紐を縫って、お互いに結ぶのです。
それでも「女は腰ひも一本で支える」という言葉があるように、おはしょり&腰紐がないと微調整ができず上半身・下半身がグズグズになってしまうと、着物を着慣れている女性が言っていました。
ではどのようにグズグズになるのか、今後はそれを明確化して一つ一つ改善していこうと思います。

ボディーラインの件

「おしりとおなかのボディーラインが見えて恥ずかしい」件ですが、これは洋服だと普通のような。。
最近はハイウェストでヒップのラインがむしろ着物よりもダイレクトに出たパンツが多いので、これをためらうのは、まぁ人によるかなと。。

デザイン上ものたりない件

どうでしょうか、↑の写真を見て「温泉の浴衣みたい」で恥ずかしいと感じる人もいるかもしれませんね。
おはしょりがないと正式な着物じゃないし。。とためらう人もいそうです。
僕としては、この熾烈な暑さの中でどこか妥協点がないか探りたいのです。
「おはしょりがなくてちょっと物足りないけど、カジュアルなシチュエーションだから着よう」と思うラインであればいいのです。
でも「カジュアルですら、おはしょりがないと変」であれば、今回の試みはやめておきます。

感想求む

皆さまはどうお感じでしょうか?ぜひ感想を聞かせてほしいです~^^
日本の女性が、もっと気軽に快適に、着物を着られるように、何か方法がないか探りたいのです。
ぜひよろしくお願いします 😀

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コメント

  1. 通りすがりの より:

    おはしょりなんか要らねえ!
    小袖最強!
    なんて思いながら同志を求めネットサーフィンしてたらこちらに導かれました。
    私には理想過ぎる着方です。
    普段着なら全然普通だと思いますし、時代は変わっていくのだから着物も変化あって良いと思います!いつまでも江戸の着方に拘らなくても…と常々思います。
    という訳で私はおはしょり要らない派です。対丈で着崩れることなく過ごしてる方も知っていますし!(コーリン等ゴムベルト使用してました)

    涼しさと手軽さ、おはしょりという正式さ??全て取り入れるなら二部式が良いのかもですね
    …2019年の記事、、もう解決済みでしょうかね

    • hiro より:

      通りすがりさん、コメントありがとうございます^^
      いいですね、小袖最強!!
      そうですね、小袖の時代に戻った着物があってもいいですよね~~、特に夏は。
      なるほど、コーリンベルトで固定する手がありましたか!紐をわざわざ縫い付けておりましたが、手間ですもんね^ー^;
      二部式ですよね~、やはりそれが妥協点なのでしょうね。