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古典を写真で分かりやすく。
皆さん(学校の講義風に)、「伊勢物語」って読んだことありますか? 僕は周りの人に聞くと「ない」って言われます。
でも皆さん、高校の教科書に出てきた人もいると思うんですよね 🙂
伊勢物語って、とあるクールガイについての噂話をみんなでまとめた本と言われています。短編小説のようなものです。
今日はその中から「あづさゆみ」という話をお聞かせします。「あづさゆみ」という弓にたとえて恋の気持ちを表現したのです。
その「弓」という言葉の出てくる和歌も登場しますから、皆さん声に出して読み上げてみると、5-7-5-7-7のリズムに乗れて楽しいですよ^^
そう、和歌って文学でもありますが、音楽でもあるんです。
そんな物語と音楽、両方を兼ね備えた「いせものがたり」、読んでいきましょう 😀
写真で読む「伊勢物語」
昔むかし、片田舎のお話です。
ある男女が共に暮らしていました。
幸せな毎日を過ごしていました。
ある時男は、都市に働きに行くと、
そう女に伝えました。
https://www.flickr.com/photos/128134565@N03/27020946522/
そして男は旅立ってしまいました。
https://www.flickr.com/photos/38046782@N02/5940608894/in/photolist-a3Xb4h-776vPa-q7eH4c-iHWfwG-oWcrEG-5ritqi-61M8hK-p2ASt7-mHBdk-79NzJC-79JJyX-79NzGU-6fmY5K-9WvFA3-79NzFw-5uiT1P-mUJC9-dviUiz-79JJBp-626twM-626tx6-8yKQ3d-burZvi-62aGU1-626tzZ-mSzbuf-626tyK-62aGVs-79JJBD-7uahD8-4xACXt-bqLnyj-fb8wgd-2Cvahu-62aGQf-87HRgx-7a9GVr-bzhvix-bVhyBc-9wBT1o-efAxgy-7bLWed-8T5YXY-6hHTgk-orTb98-agUFQc-qNgYiT-r3h1MJ-2ZpusL-fiW98A
女は男からの手紙を待ちます。
夏が来て、
秋が通り過ぎ、
冬を越し、
春が訪れても、男は戻ってきません。
女は一人待ちます。
そうして3年が経ちました。
女は疲れます。
そんな時、女に言い寄る別の男が現れます。
https://www.flickr.com/photos/mydearvalentine/9312915488/
その言い寄る男は誠実で、心をこめて求婚してきました。
悩んだ末に女は、
https://www.flickr.com/photos/msevera/6186365064/
「今夜、結婚の誓いをしましょう」と約束します。
https://www.flickr.com/photos/daisyduck2007/26036925170/
日は暮れて、その夜が近づきます。
そこに、都市で働いていた男が帰ってきました。
https://www.flickr.com/photos/7148266@N03/3089623923/
男は、ドアを開けてくれ、と叩きました。
https://www.flickr.com/photos/websterk3/7096818953/
しかし女はドアを開けることなく、
https://www.flickr.com/photos/10843690@N05/6312665696/
歌を詠み、窓のすきまからそっと差し出します。
あらたまの としの三年(みとせ)を待ちわびて
ただ今宵こそ新枕(にいまくら)すれ
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
3年間も待つことはできなくて、まさに今夜、別の人と結ばれるのに。
https://www.flickr.com/photos/unefrancaisnuit/6916650190/
男は悲しみます。
https://www.flickr.com/photos/unefrancaisnuit/7033904999/in/photostream/
そして、女との思い出が浮かんでは、
消えます。
https://www.flickr.com/photos/heist_mine/5435199427/in/photostream/
そして男は あきらめて、歌を詠んだ。
あづさ弓ま弓つき弓 年を経て
わがせしがごと うるわしみせよ
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
弓にも色々あるように、僕らの間にもたくさんの思い出があります。
どうぞ今夜結ばれるその男にも、優しくしてあげてください。
そうして男は立ち去ろうとしました。
女は後姿に向かって詠みます。
あづさ弓 引けど引かねど昔より
心は君によりにしものを
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
弓を引いて糸をよるとしても、よらなくても、昔から心は君に、寄り添っていたのに。
https://www.flickr.com/photos/shehab-uae/2062223858/in/photolist-49eriL-7Psxvi-nQGQ8m-h7ZYrT-puxadP-jSxU61-naKFGv-3AnWxW-pLWhZk-cheFCf-b11S9g-nb6HLr-4mmqU8-q2mgrr-9npW1r-qxmvwp-nGaokb-79L8PL-8rgcNh-q86gCU-hym4BJ-7rFkb2-nsRWGb-6AjJXQ-7vtPYZ-9spvAy-q466r1-7juRVr-9a4U1D-92Auim-mch7ei-fERmJ9-dLMfTx-b8fsxH-7CfPCU-7xc69H-dN2kpQ-du955o-8whJHB-7nwrsD-pud1m9-e8rkPj-dzXbQi-7JNoGb-55QsBp-c3s73u-8DyoDB-i4YEq6-6Xkw6K-oCHh7R
それでも、男は去っていってしまった。
https://www.flickr.com/photos/skinnylou/7542115286/
女は悲しみます。
https://www.flickr.com/photos/azegbenbalvan/7874033738/
そして、男の後を必死に追いかけます。
https://www.flickr.com/photos/141715756@N08/27714165191/
岩間に水の湧くところまでは なんとかたどり着きましたが、
そのまま倒れてしまいました。
そこにあった岩に、
https://www.flickr.com/photos/apocalypse_please/4495619718/
指の血で、歌を書きつけました。
あひ思はで離(か)れぬる人をとどめかね
わが身は今ぞ消えはてぬめる
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
思い合わず、離れていく人をとどめられなくて、
私の身は、今死んでいきます。
https://www.flickr.com/photos/mryrbnsn/3960358924/
そして、その場で息が絶えることとなりました。
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
https://www.flickr.com/photos/brettastic/5621684423/
幸せな時間はありましたが、最後は結ばれることのなかった、二人の物語です。
平安文学への入り口
さて、いかがでしたでしょうか? 内容が分かれば楽しめますよね^^
着物を着てカフェで日本文学を読むのも楽しそうです。